アンガーマネジメントとは
アンガーマネジメントは、認知行動療法(※1)がベースとなり、1970年代アメリカで精神療法を受けている人や感情労働(※2)に携わる職種についている人を対象に開発され、実施されてきました。その後、1980年代になると、教育分野ではいじめ、暴力などへの予防教育や感情教育の一環として発展してきました。さらに、司法分野、医療・福祉分野、ビジネス、スポーツ、カウンセリングの中にアンガーマネジメントは取り入れられてきました。
日本においては、教育分野で子ども達の問題行動の予防教育、教師の児童・生徒理解や対応、教師のメンタルヘルス、医療・福祉分野ではリワークプログラムやカウンセリングに、企業においてはパワーハラスメント予防や人間関係向上にアンガーマネジメントは取り入れられています。
アンガーマネジメントは、まず自分の気持ちに気づき整理することで(自己理解)、他者の気持ちも理解できるようになり(他者理解)、お互いを理解し(相互理解)、その場にふさわしい方法で自分の気持ちを表現する対人関係に必要な技法であります。
- 認知行動療法とは、物事の捉え方や考え方(認知)、感情、身体反応、行動の相互作用に注目し、より幅の広い考え方をすることで、感情や行動の変化を目指す心理療法です。
- 感情労働とは、アメリカの社会学者A.R.ホックシールドが提唱した働き方の概念です。自分自身の感情のコントロールを求められる仕事で、辛い状況であっても「笑顔で、やさしく」を表現しなくてはならない仕事です。教師、看護師など医療従事者、カウンセラーや客室乗務員などの仕事も感情労働と言えます。